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魚臭は魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)の可能性もあります


投稿者名:イチ

タイトル:魚臭で悩んでいるのですが


 


 私は20歳の学生です。以前から「魚のくさったようなニオイ」で悩んでいます。親には「口が魚くさい」と指摘されたこともあります。最近は、汗だけでなく、尿も同じようなニオイがすることがありますが、何かの病気なのでしょうか?

 自分自身でもはっきりと臭いが分かるため、学校に行くことも抵抗があり、卒業や就職のことを考えると心配です。なにか臭いを抑える方法はないでしょうか?

 

投稿者名:五味院長

タイトル:魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)の可能性もあります



イチさん。

 質問内容から推察するとあなたは、「魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)」の可能性もあります。

 そして、あなたには朗報ですが、最近この病気の遺伝子分析による診断法が確立されつつあります。もし、あなたが「魚臭」で悩まれていられるなら、末尾の北海道大学薬学部のHPにアクセスし、五味クリニックの紹介ですと言って診断を受ける手順について問い合わせをしてください。指示されたような方法であなた尿を送付することで、正確な診断を受けることができます。

 診断を受けるための詳細は最後に説明しますが、ここで、この病気についてもう一度整理してみましょう。

 魚臭症候群は、魚などの多く含まれるレシチンという脂質が、腸内細菌の酵素により「トリメチルアミン」という魚臭に似たニオイ物質に分解されて、それが体を回って、呼気や汗や尿の中に排泄されることで特異的な体臭をつくるものです。一種の代謝異常といえるでしょう。この場合には、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)というトリメチルアミンを分解して、無臭化する酵素が欠損していたり、活性が低いことが原因と言われています。

 同じような代謝異常には、例えば「フェニルケトン尿症」とか「アルカプトン尿症」などのようにアミノ酸の代謝異常などがありますが、この場合には、知能障害や身体的奇形などの心身異常障害を先天性に伴います。アミノ酸が身体のたんぱく質を構成する原料であるからでしょう。

ところが、同じ代謝異常と言っても、「トリメチルアミン尿症」の場合には、体から「魚臭のようなニオイ」を発すること以外にほとんど心身障害を伴いません。またニオイそのものも生まれてすぐではなく、幼児期以降や中には青年期を過ぎたころから徐々に強くなることもあり、周囲からは、「たかが体臭」として問題にされずに過ごされることも多いのです。
 このことが、今まで魚臭症候群が、医学界で、あまり話題にも研究対象にもならずに、「無視」されてきた理由です。

 しかしです。このHPでは何度も言いましたが、「臭いの悩みは、自己存在にかかわる悩みであり、社会性の障害をもたらす」本人にとっては重大な問題のです。
 今まで日本では、トリメチルアミン尿症の患者さんは、欧米に比べて非常に稀ではないかと言われてきました。私は、無臭志向の強い日本では、そのような魚臭で悩む人は、外出を控えたり、家の中での閉じこもり生活を強いられたりしてて、表に現れていないだけではないか感じていました。
 なぜなら、以前にこのHPで、「トリメチルアミヌレア」の話をしたところ、その後質問メールに「魚のくさったようなニオイ」で悩んでいる人からの質問メールがいくつか寄せられたからでした。しかもその内容は、「何度も死を考えました」といった深刻な内容のものが多くみられました。

 ところが、当院が腋の汗や臭いを専門としていたため、今までは、満足のいく回答ができないままでした。また、どのような施設がこの病気の診断をしているかも分かりませんでしたので紹介することもできず、私自身が非常に辛い思いをしていました。

 そのような時、偶然に北海道大学薬学部の鎌滝哲也教授から、「今まで日本では医学的に全く関心が寄せられていなかった「魚臭症候群」を、代謝分析学的な方法で本格的な研究をしたいので、体臭専門の臨床医の立場から協力してもらえないだろうか」という連絡が入りました。

 お話を聞くと、既に、相当数の患者さんの尿中トリメチルアミンが測定されており、原因の解明のための遺伝子解析もされていることも分かりました。私が興味を抱いたのは、まだ仮説の段階のようですが、この病気の原因が、今まで言われたような「先天的な遺伝子異常」や「遺伝子の変異」ではなく、遺伝子の単なる「修飾」(例えば遺伝子のほんの一部がメチル化しただけのような)による可能性もあるのではないかというものでした。

 魚臭症候群は、仮に診断されたとしても、現在の治療法は「症状を軽くするための食生活の工夫」に限定されます。たとえば、トリメチルアミンの元となるコリン、カルニチン、レシチン、等を含む食品の摂取を制限することなどです。
 そのような遺伝子の単なる「修飾」が原因としたら近い将来、魚臭症候群の根治的な治療薬が開発される可能性も非常に高いのです。

 これでは、協力しないわけにはいきません。
 ただ、当院では、検査等はできませんので、現段階で私ができることは、魚臭で悩んでいる人を鎌滝教授の研究室にご紹介することです。
「自分が魚臭症候群の可能性があるのではないか」「魚臭のような臭いで困っている」人は、下記のHPアドレスにアクセスして、尿検査による診断の問い合わせをしてください。尿検査のための尿カップが送られてきますので、指示どおりに尿を採取して研究室に送付してください。
 その際、前日の食事内容や自覚症状も書き添えていただきますが、これは臭いがより改善されるための貴重な資料となります。

 また「魚臭とはハッキリと分からないが不安だ」という人も場合には、当院にトリメチルアミンのニオイサンプルがありますので、来院されるならば、自分の気にしているニオイと嗅覚的な比較も可能です。その際魚臭症候群の可能性があれば、尿を送るのもよいでしょう。
 どのような病気もそうですが、一人ひとりの患者さんの小さな情報が、効果的な治療法の開発に結びつくのです。
 診断をしてもらうことで、魚臭症候群でないことが分かることもまた意味があるでしょう。



※鎌滝哲也先生は北海道大学を退官され、同じ研究室の山崎浩史先生が昭和薬科大学に移られて、引き続き魚臭症候群の研究をされています(2008年現在)。

魚臭症,トリメチルアミン尿症,Trimethylaminuriaの日本におけるホームページ(昭和薬科大 山崎浩史先生)



 

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