| 投稿者名:五味院長 タイトル:皮脂腺の臭いとワキガの違い 
               
   とおるさん    投稿の情報から判断しますと、あなたは90%の確率で「ワキガ体質」ではありませんので安心してください。 
             なぜなら、ワキガの主要5条件の内4っまでが該当しないからです。 特に「耳垢が乾燥している」ということですからまずワキガ臭を否定してもよいと思います。    5条件とは、   (1)耳垢  (2)腋毛 (3)多汗 (4)遺伝 (5)下着の黄ばみの状態   です。  しかし実際には以上の条件がそろっていなくても、手術をしてみるとアポクリン腺がたくさんある人もいますから、100%の診断は「試験切開」という検査が必要になります。 
             皮脂腺の臭いとワキガの臭いの違いですが、皮脂腺のある場所によって異なります。 腋の下にある皮脂腺では、ワキガ体質の人では、その人のワキガ臭を形成する一要素です。つまり皮脂腺臭と一体となってワキガ臭がするのです。 
             しかし、腋の下以外の場所にある皮脂腺やワキガ体質でない人の腋の下の皮脂腺は、ワキガ臭とは根本的に違う体臭を形成します。 
               しかし臭いの分類から言えばワキガの臭いも皮脂腺の臭いもルーツは同じ「脂質系のニオイ」から生じます。 つまり両者とも脂質を主な原料とする脂肪酸がニオイの成分です。  しかし皮脂腺とワキガのアポクリン腺から分泌される脂肪酸の種類はかなり異なります。 それは、それぞれの腺の役割が違うからです。 アポクリン腺の役割は当然ニオイを出すことですからそこから分泌される脂肪酸は鼻粘膜の嗅細胞を刺激しやすい炭素が4から8の脂肪酸(酪酸、カプロン酸、カプリル酸など)が主体となります。 
             一方、皮脂腺の役割は皮膚表面に皮脂膜を形成して皮膚を柔らかくしたり保水性を保つことですので、炭素数がより多い脂肪酸やスクワレンのような水分と混ざり合いやすい成分が主体となります。 
               ですから、当然ながら皮脂腺は本来ニオイを出す機能ではないのですから、健康な状態では、体臭を強くするようなことはありません。  しかし、皮脂腺内に過酸化脂質なとの「酸化物質」が増えたり、異常に皮脂腺が刺激されたり、脂肪の多い食事をしたりすると、脂肪酸が酸化されやすくなり「皮脂腺からの臭い」が感じられるようになるのです。 
             あなたの場合では、ただ脂症ということで特別な問題もないようですので、ワキガ臭と同じように、「皮脂腺臭」も心配ないと思います。 
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