| 投稿者名:五味院長  タイトル:自分のニオイをどこまで受容できるか 
   ひとみさんへ    最近、あなたのように、手術を受けたのだけれどまだ臭うようだといって わたしのクリニックに来院される患者さんが増えています。 
             やはり、体臭の悩みは心のケアも含めて診ることが求められるために、 美容手術の片手間にワキガ手術を行うことには無理があるのではないか 
              と感じています。    ところで、あなたの場合にはさまざまな可能性が考えられます。  そのひとつは、もともとあなたがアポクリン腺が原因の「ワキガ臭」を 気にしていたのでなく、エクリン腺の「汗のニオイ」をワキガ臭と感じて 
              悩んでいた可能性です。  この場合には、いくら完璧な手術をしてもエクリン腺は真皮に一部残り ますので、あなたにとっては手術前と同じニオイがするわけです。 または、あなたが想像するようにアポクリン腺が取り残されたか再発した場合です。 あなたの記述から推察すると、(わたしの主観的な印象ですが)手術によって 
              かなりの程度まで大きなアポクリン腺は摘出されているのではないでしょうか。 人に迷惑のかからない程度までは治癒していると思いますよ。    問題は、周辺の小さなアポクリン腺が残存しているか、又は再発したかという ことですが、あなたがワキガ臭が完全に無くならないと納得しないという 
              ことであれば、1年ほどして皮膚が軟らかくなってから「試験切開」という検査をおすすめします。 検査で残存していることが判明すれば、勿論再手術も可能です。 
               でも、大切なことはあなたがどこまで「無臭人間」に近づきたいかと いう価値の問題です。  自分のニオイをどの程度受容できるかは、他人の体臭もどの程度共有 できるかという人間関係にもかかわります。 
                今はこのようなことをじっくりと考えて、体臭にやさしいゆとりある生活を送ってほしいと思います。  |