五味クリニック 新聞・雑誌掲載情報
わかさ2005年10月号
悩みの多汗なら「10リットルの汗をかこう」と大声で唱えれば、神経の緊張が解け汗が引く より抜粋
○汗をかくまいと思うほど汗が出る 精神性発汗に悩む人は、「汗をかいてはいけない」と無意識のうちに力むあまり、かえって緊張して汗をかいてしまいます。 これは、脳の視床下部にある発汗を促す発汗中枢が緊張して、発汗指令を出すからです。そこで、脳の緊張を取り去れば、発汗指令が抑えられて多汗を解消することができきます。 こうした精神性発汗を治すには、いくつかの治療法があります。中でも手軽にできて効果的なのが、開き直り療法ともいえるロゴセラピー(心理療法の1つ。ロゴとはギリシャ語で意味という内容をもつ言葉。ロゴスからの由来)です。これは、オーストラリアの著名な精神科医、ヴィクトール・フランク博士によって提唱された画期的な治療法です。 例えば、夜中になかなか寝つけないとき、「早く眠らなければ」と焦るほど、かえって目がさえて眠れないものです。逆に、「一晩眠らなくても死ぬことはないのだから、いっそ朝まで起きていよう」と開き直ると、不思議にすぐ眠りに就くようになるのです。 こういった心理的な逆転現象を、精神性発汗の治療に応用したのが、ロゴセラピーです。 多汗に悩んでる人は、とにかく汗を出すまいと心がけています。こうした切迫した気持ちを、開き直りの言葉を使って緩和するのです。私のクリニックでも、多汗に悩む患者さんに次のようなアドバイスをすることがよくあります。 「昨日はまだ、1リットルしか汗をかいていないようですね。それでは、今日は10リットルの汗をかいてみましょう」 これは意外に有効で、すぐにはっきりとした効果が現れます。人によっては、それまで大量にかいていた汗がその場で引いてくることもあるほどです。 もし汗をかいてしまっても、「いけない」と思って緊張しないでください。そうではなく、「1日10リットル汗をかいてやろう」と思いましょう。もっと効果があるのは、毎朝出かける前に、大声で「1日10リットル汗をかこう」と数回唱え、自己暗示をかけることです。 このフレーズを大声で数回唱えると、自分で出した声(音)が一定のリズムで聴こえるので、脳に快感とリラックス効果がもたらされます。それに、大きな声は周波数が高めになり、それを聴神経がキャッチすると副交感神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する自律神経の1つで、交感神経と拮抗して働く)の働きも優位になり、全身の緊張が取れます。「10リットル汗をかこう」と何回も唱えれば、早い人は数日で多汗の症状が目に見えて改善します。
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