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東京スポーツ2005年1月18日
男の若返りマル秘作戦 連載〈12〉インポから足腰まで


 加齢臭(上)
フケは細菌の絶好の住み家 ヘアケアもオジサン臭対策

俗に「オジサンクサイ」の元凶ともいえるのが「加齢臭」。北九州市に住むKさん〈45〉は、ある朝、会社に行こうとすると、奥さんにいきなりスプレーを吹きかけられた。「何をするのかと思ったら、なんと消臭スプレーでびっくり。おじいさんのニオイがすると子どもにいわれて散々です」。あまりの屈辱に同情してしまう。そこでニオイの治療に詳しい五味クリニック〈東京都新宿区〉の五味院長に聞いた。
「中高年の場合は、まず奥さんが気づくことが多いようですね。そもそもこのオジサンのニオイの正体とは、『ノネナール』という、脂肪酸の一種によるものです。ノネナールは皮脂腺から分泌されますが、40歳以下の場合はあまり発生しないことが分かっています。このニオイは男性だけでなく女性もちゃんとするのです」(五味院長)。「加齢臭」とはいわば体臭のひとつ。体臭にはさまざまあって、大きくは「脂質系」「タンパク質系」「糖(炭水化物)」の3種類あるという。「そのうち脂質系の発生源にはエクリン腺、アポクリン腺というふたつの汗腺と皮脂腺が関係しています。エクリン腺とは、全身にありますが、それは小さいために肉眼では見ることができない。ここから出る汗の99%は水分でサラッとしており、ニオイはほとんどないが、時間がたつと細菌が増殖したりして汗くさくなるのです」(五味院長)。一方アポクリン腺は、ワキの下やヘソ回り、耳の外耳道や乳首の乳輪、性器や肛門周辺にあり、ここからタンパク質や脂質などいろいろな成分を含んだ「粘り気のある」汗が出る。本来は仲間同士の確認や異性をひきつけるフェロモンのような役目をしていて、ワキガ臭の元でもある。「それ以外にも全身には皮脂腺がありますが、それは皮膚表面に『皮脂膜』をつくり皮膚を柔らかくしたり、潤いを保つ役割を果たしています。そのため外からの細菌から守るバリア機能をもち、酸素の通気性を高めるのです」

皮脂腺では年齢とともに「パルミトオレイン酸」という脂肪酸が増える。それが過酸化脂質と結びつくことで分解・酸化されて「ノネナール」が発生するのだ。「厄介なのは、パルミトオレイン酸が増えると同時に過酸化脂質も増えるということ。男性は女性よりも過酸化脂質をつくりやすいのです」。ただし過度のダイエットなどで卵巣機能が低下した若い女性でも例外的に加齢臭がすることがある。「皮脂膜が健康ならば皮膚の常在菌によりバランスが保たれ、ニオイも少ない。しかし、せっけんを使いすぎて皮膚表面がアルカリになったり、皮脂腺の分泌が異常になると、皮脂膜がうまく広がらずに、雑菌の繁殖につながって体臭もきつくなります」(五味院長)。
いずれにせよ、皮脂腺で分解される脂肪分の量を減らすことが「加齢臭」の防止につながる。
「皮脂腺は体のあらゆる部分にありますが、とくに発達しているのが頭」。頭の皮脂は髪の毛の潤いには役立つが、ニオイの原因にもなるのだ。またフケが細菌の絶好の住みかとなるが暴飲暴食やストレスがあるとフケも多くなり、ニオイも強い。頭皮や髪にたまった皮脂汚れが悪臭になる。ほどよいヘアケアは、加齢臭対策の第一歩なのだ。

(医療ジャーナリスト・倉西隆男&取材班)

 


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