五味クリニック 新聞・雑誌掲載情報
いきいき 2004年8月号
更年期以降に気になり始める「におい」 中高年女性の気になるにおいは、汗と加齢が原因です。 より抜粋
女性なのにおじさんのにおい、“加齢臭”とは? もう一つ、女性ホルモンの減少に伴って気になるにおいに、加齢臭があります。以前に大手化粧品メーカーが、「おやじのにおい」の正体を突き止めたとして発表し、マスコミでも話題になりました。正しくは加齢臭といいますが、これと同じことが閉経後の女性にも起こります。皮脂腺は、男性ホルモンが分泌を刺激し、女性ホルモンが分泌を抑えることでコントロールされていますが、更年期以降、女性ホルモンが減少すると、男性ホルモンが優位になって皮脂分泌が盛んになり、皮脂腺の中にパルミトオレイン酸という皮脂が増えてきます。これが活性酸素によって連鎖的に酸化され、いろいろなにおいのする脂肪酸に次々と分解されていきます。その中の一つが加齢臭の正体として注目を集めた、ノネナールと呼ばれる低級脂肪酸です。 女性ホルモンには、活性酸素を抑え、酸化を抑える作用がありますので、更年期になり女性ホルモンが減少すると、皮脂が増えるだけでなく、酸化による皮脂の分解も一段と加速することになります。この皮脂を酸化させる原因となる活性酸素、いわゆるフリーラジカルは、高コレステロールの食べ物を多くとり、タバコを吸い、多量に酒を飲む、いわゆる不摂生によって大量につくられます。これは高コレステロールにより動脈硬化が引き起こされるのと同じしくみです。ですから、私は「おやじのにおい」は生活習慣病一つと考えています。 中年以降は、不摂生により血管にコレステロールが溜まるのと同じように、皮脂も溜まり、酸化してにおいを放つのです。年齢よりも、むしろ生活習慣病に心当たりがある人ほど、加齢臭は強くなると思ってください。生活習慣病の予防は、加齢臭の予防にもなるというわけです。 更年期の多汗には、婦人科でホルモン補充療法や漢方療法などを受けることで解消されることも多いのですが、精神性発汗がある場合は、精神安定剤や自立中枢調整剤で症状を抑えることができます。自律神経訓練法などで精神面を鍛える方法もあります。また、カウンセラーにゆっくり話を聞いてもらうことで、症状が軽くなることがあります。 更年期の汗は突然出るものですが、こういうときは焦らずにゆったりした気分でいてください。汗が噴き出したら、意識してゆっくり腹式呼吸などをして気持ちを落ち着かせると、症状を軽くすることができます。また、いつでも調整できるように、脱ぎ着が楽で、調整がしやすい重ね着を工夫してください。下着には汗をよく吸収する綿などの素材を、上着には吸湿・発散に優れた絹などを着るとよいでしょう。汗を抑えることよりも、身体のためには循環をよくして良い汗をかくように努める方が大切です。運動や入浴、発汗を促進する食べ物を積極的にとって良い汗をかくようにすると、循環も良くなり、におう汗を抑えることにもなります。 もう一つ、中高年の女性が気になるにおいに、尿もれの問題があります。尿の中の尿素は分解されてアンモニアになることでにおいがきつくなりますから、まめに下着を取り替えることが大切ですが、下着に消臭剤を含ませておくと、におい防止に効果があります。アンモニアはアルカリ性ですから、酸性のミョウバン液が効きます。自分でも簡単につくれますので、吸収パッドつき下着などを利用する場合は、ご紹介しているような手作りの消臭ローションもぜひ試してみてください。ローションを含ませて固く絞ったおしぼりで汗をかいた身体を拭くだけでも、におい防止の効果があります。
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