五味クリニック 新聞・雑誌掲載情報
GPnet2005年10月号
介護現場のにおい対策安全で安価、しかも手軽にできる食品を使ったにおい消し より抜粋
○食事方法と便秘予防で便のにおいを軽減 便のおむつ交換時には、どうしたってにおいが出てしまう。そのにおいを最小限にくい止め、できるだけ部屋に残さないようにするには、手早くおむつ交換をするのが一番である。出たばかりの便のにおいは、すぐに処理すればそれほど部屋に残ることはない。部屋ににおいが広がる前に、汚れたおむつや紙を素早く密封することが肝要である。いかに手早くおむつ交換ができるかは、道具の準備と作業の段取りにかかっている(表2)。 便が臭いのは、腐ったものを含んでいるためである。高齢者の便がことさら臭くなったと感じたときは、以下のことを疑ってみる。 1.食事をよく噛まずに飲み込んでいないか 栄養はきちんと消化されてこそ体に吸収されるもの。よく噛んでたくさんの唾液を出し、消化を助けることが大切である。唾液の酵素には、消化だけでなく口の中の雑菌を殺す作用もある。歯がぐらついていたり入れ歯が合わないためによく噛めていないのか、食事介助のスピード早いのか、嚥下に異常があるのか、原因を調べる必要がある。 2.ストレスがないか ストレスがあると胃腸が正常に働かなくなる。胃液のペプシンという酵素はストレスにとても弱く、胃に食べ物があるのに分泌されなかったり、逆に空腹なのに分泌されたりして、口臭の原因となる。また、ストレスの影響を受けると便秘がちになり、腸のなかで腐敗が進み、悪臭が強くなる。 便のにおいは、食事の仕方によってもきつくなる。栄養バランスのよい食品を、ゆっくり楽しく味わいながら食べるのがよい。食事方法のほか、においをきつくさせないためには、便秘の予防や腸の汚れを取り除くことも有効である。 便秘予防には、食物繊維をたっぷり含んだ食品を摂るようにする。食物繊維は善玉菌の棲みかになるうえ、有害な菌(悪玉菌)を外に追い出してくれる。さらに、悪玉菌の出した毒素や有害物質、悪臭の成分などを吸収し、最後は便となって体外に排出される。サツマイモやゴボウなどの粗い繊維質よりは、海藻や豆類などの細かい繊維をたくさん含んだものがよい。 玄米もよいが、よく噛まないと消化に悪く、人によっては好き嫌いがあるので注意が必要になる。玄米と白米を混ぜたり、粉末状の玄米粉を利用すると食べやすくなる。パンならば、全粒粉やグラハム粉を使用したものがよい。これらには食物繊維が豊富な小麦のふすま(外皮)が含まれている。普通の小麦粉に混ぜて揚げ物などに使えば、風味もよく、ビタミンなどのミネラルも同時に補給することができる。 便秘になってしまったら、十分な水分を摂り、便を硬くさせないことが重要だ。味噌汁なども含めて1日1.5〜2リットルはほしいところだが、砂糖が入ったジュースなどは避ける。 腸の汚れを取り除くには、ビフィズス菌などの善玉菌を増やすこと。ビフィズス菌を持つ食品としてはヨーグルトがポピュラーだが、ヨーグルトの善玉菌は強い酸性を持った胃の酵素にほとんど殺されてしまうため、毎日続けて食べ、少しずつ善玉菌を増やすようにする。 おすすめは、ハチミツをかけたプレーンヨーグルト。ハチミツには善玉菌を育てるオリゴ糖が含まれており、腸のなかで善玉菌を増やす働きがある。また、ハチミツの甘さがプレーンヨーグルトの酸っぱさとほどよく中和し、甘すぎずさっぱりと食べられる。 表2 便のおむつ交換手順 ●準備するもの:料理用ゴムべら、キッチンペーパー(厚手のもの)またはちり紙、防水シーツ、新聞紙、ビニール袋数枚、ぬるま湯とバケツ、清拭剤または酢、洗剤のから容器、陰部専用のタオル、替えのおむつ ●手順 @高齢者のお尻の下に防水シーツを広げ、その上に新聞紙を敷く。 Aバケツにぬるま湯を用意し、清拭剤を入れる。 B高齢者の膝を立て、汚れたおむつカバーとおむつを静かにはずして広げる。 C半身麻痺があると、おむつの汚れ方に偏りが出る。そのときは、便で汚れていないほうに高齢者を横向きにする。 D料理用ゴムべらで、肛門周囲の便をこそぎ落とし、すでに汚れたおむつカバーになすりつける。肛門の便が尿道に感染すると膀胱炎になるので、便を拭くときは必ず肛門に向かって拭く。 ※おむつカバーが汚れすぎているときは、手早く丸めてビニール袋に密封し、キッチンペーパーや昔ながらのちり紙などで便を拭き取る(ティシュペーパーでは薄すぎるので便を拭き取りきれない)。 E便をぬぐった紙やおむつはすぐにビニール袋に入れて密封する。 F洗剤の空き容器にぬるま湯と清拭剤を入れ、お尻周辺を洗う。 ※清拭剤の代わりに酢を少々入れるとすっきり感があり、殺菌効果もある。 G陰部専用の乾いたタオルで拭き取り、替えのおむつをあてる。
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