五味クリニック 新聞・雑誌掲載情報
元気これから 2004年夏号 シニア改造論 上手に年を重ねるための生き方・暮らし方
加齢臭の正体を知って「オジンくさ〜い」から脱出しよう より抜粋
ニオイは個性 過剰な無臭志向は自己否定につながる カラダ編 「クッサーッ!」といわんばかりに金髪のコギャルが露骨に嫌な顔をして離れていきます。「オイオイ何もそこまで」・・・そんな女子高生にモテようなどサラサラ思わないまでも、見事に自尊心を打ち砕かれるのは事実。 このオジン臭は加齢臭ともいわれ、特有の体臭のモトになる物質は「ノネナール」。このニオイの消臭剤こそがオジン臭、いやオジンたちの救世主のように思われていますが、決してそうとばかりはいえません。 老化によって血管のなかにはコレステロールなどの老廃物がたまります。同様に皮脂腺にも脂肪酸の一種であるパルミトオレイン酸という物質がたまってきます。これが酸化、分解することによりいろいろな脂肪酸ができ、その一種がノネナールという物質。調香師いわく、このニオイが「おやじ臭に似ている」のだそうてです。そしてノネナールをはじめとした脂肪酸は、若者の皮脂のなかにはほとんど存在せず、40歳代から急増。 加齢臭であるニオイの発生源は皮脂腺のなかにたまる過酸化脂質の酸化作用であることがわかったのですから、ノネナールだけを消してもだめ。臭いニオイは元から断たなければ、と思うならば、酸化作用を止めることです。皮脂腺を刺激して酸化作用を活発にするのは高たんぱく高脂肪の食事。生活習慣病の元凶となっているのも同じ食事です。だから逆説的にいえば、加齢臭の強い男性は生活習慣病の温床でもあるといえそう。 そういえば、昔の中年男性に加齢臭がなかったのは、和食中心で抗酸化作用のある野菜やお茶を多用していたからなのかもしれません。 ココロ編 中高年の男性ばかり10人をひと部屋に集め、もうひと部屋には20代の男性ばかり10人を集めました。そして若い女性10人に目かくしをしてもらい、両方の部屋のニオイをかいで中高年の部屋を当ててもらうという実験をしてみました。結果、ほとんどの女性が間違いました。 ということは、若い女性の「オジン臭い」という表現は、ノネナールだけの問題ではなかったのです。オジン特有の食後に歯をシーハーさせる、平気で痰を吐く、おもしろくもないおやじギャグを得意げに連発する、身だしなみもダサくて時代遅れ・・・そういったことの総括で目にも耳にも“くさい”のであり、いわばイメージ臭であり、嗅覚だけの問題ではありません。ニオイというものは絶対的なものでなく、主観的なもの。嗅覚で感じるというよりも、五感を使ってココロで感じているものです。それゆえ、ニオイには固有名詞がなく、「・・・のような」ニオイとしか表現できません。オジン臭にしても「古本のような」「古くなったポマードのような」「かめ虫のような」ニオイでしかないのです。 体臭を気にする中年男性が増えています。仕事一本やりでは通用しない世の中になったのかもしれません。社会の行き過ぎた清潔志向も問題です。でも、それに反応しすぎて、過剰な無臭志向に走るのは逆効果。体臭は個性であり、そのニオイを否定することは自己否定にもつながってしまいます。自分のニオイは自分の歴史。ニオウおじさんよりもそれをあからさまにクサイと表現する若者の感覚にも問題がある、と居直るくらいの気持ちでありたいものです。
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